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「源氏物語」の色辞典
吉岡 幸雄 著

「源氏物語」は「紫」のものがたり

『源氏物語』に一貫している色といえば「紫」があげられる。

平安京の政治の場は 大内裏 ( だいだいり ) という、今でいえば皇居と霞が関が一緒になったような一帯だった。その中で、天皇の住まいを内裏とよび、右近の橘、左近の桜が配された南の庭をもつ 紫宸殿 ( ししんでん ) が建ち、天皇が鎮座する 高御座 ( たかみくら ) は紫の布で覆われている。

天皇や皇后をはじめ、女御、更衣たちが住まう後宮へは、建物や渡廊でつながっている。建物はそれぞれ 弘徽殿 ( こきでん ) 淑景舎 ( しげいしゃ ) 飛香舎 ( ひこうしゃ ) という正式な名称のほかに、壺、つまり中庭に咲く花にちなんで、桐壺、藤壺、梅壺と呼ばれるものもあった。

桐も藤も花は紫色であるし「若紫」の帖に登場する可憐な少女、光源氏がもっとも愛するのちの紫の上が登場するところを見ても、この物語のなかに脈々と流れる色は紫と言えるようである。

『源氏物語』はまさしく「紫」の物語である。

※続きは紫紅社刊『源氏物語の色辞典』にてどうぞ。

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紫紅社刊『王朝のかさね色辞典』より植物染めによる「藤の色」を壁紙にしました (染色: 染司よしおか)。

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