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吉岡幸雄が選んだ今月の色
日本の伝統色 壁紙無料ダウンロード

「染司よしおか」五代目当主、吉岡幸雄氏に毎月、日本の色にまつわる様々なお話をしていただくコーナーです。紫紅社特製カレンダー付き壁紙とともに、毎月月末に更新の予定です。

11月 支子色(くちなしいろ)

「染司よしおか」吉岡幸雄

クチナシの花と実の写真
クチナシの花と実

夏のはじめに白い花をつけてあたりに芳香を放っていた支子は、秋の終わりから冬のはじめにかけて、黄赤色の酒徳利のような形をした小さな実をつける。

中国ではこの実を古くから染料や薬用に用いていた記録があり、日本でも飛鳥から奈良時代にかけて、糸や布を染め、また食物の着色剤として利用していたようである。

私の工房にも、近くの薬草園や、支子の木がたくさんある寺院から実を送っていただく。天日でよく乾かすと、いつまでも黄赤色がのこっており、水に入れてぐつぐつと煎じて染料とする。

二月から三月にかけて行なわれる、南都に春を告げる行事として知られる東大寺のお水取りには、二月堂に鎮座する十一面観音に、和紙でつくった椿の花を捧げる習わしがあって、その染め和紙を私の工房から納めている。花びらは紅花染、においと呼ぶ花の芯はこの支子で染めている。

染司よしおか制作 椿の造り花
東大寺お水取り 椿の造り花

真紅と白の「一枚かわり」という、花びらの色が紅白交互になっている椿の造り花であるが、そのなかに支子で染めた黄色が鮮やかにのぞいている。

支子は布や和紙を染めることが多く、わずかに赤味がかった濃い黄色になっていく。平安時代の人々は、支子色といえば支子の黄色に紅花をかけて赤くして、実の熟した色をあらわしたようで、支子だけで染めた黄色は、とくに「黄支子」と称していた。

11月カレンダー付き壁紙

王朝のかさね色辞典』秋の色より「菊の色」を壁紙にしました (染色: 染司よしおか)。『王朝のかさね色辞典』には、植物染で再現された菊の襲 (かさね)、白菊の襲、蘇芳菊の襲、莟菊の襲、紅菊の襲、移菊の襲など、菊の襲だけで12種類のかさねが紹介されています。

カレンダー付き壁紙サンプル画像

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