人類ではじめて宇宙に旅立ったガガーリンが、帰還後「地球は青かった」と述べたように、地球上に住む私たちは、いつも青色と生活をともにしているといってもいいでしょう。
古代中国で、春秋時代から戦国時代に完成されたといわれる五行思想においても、木(青)、火(赤)、土(黄)、金(白)、水(黒)とされるように、青は木の色にたとえられ、五原色の最初にあげられています。人が自然界とともに暮らしていく中でもっともなじみ深く、身近におきたいと願った色なのです。
天空の青い空。紺碧の海。ゆるやかに流れる大河。さざ波をたてる湖。澄んだ水は空を映して青く、その色に私たちは清々しさを感じ、心やすらぐのです。
青の色名には、「藍(あい)」「紺(こん)」「縹(はなだ)」「浅葱(あさぎ)」「褐(かち)」「甕覗(かめのぞき)」「納戸(なんど)」「青鈍(あおにび)」「露草(つゆくさ)」「空(そら)」「群青(ぐんじょう)」「瑠璃(るり)」などがあります。
青系の色の染料
代表的な染料は、蓼藍(たであい)です。東南アジア原産のタデ科の植物(上写真)で、5~6世紀に中国から渡来しました。染色の方法は、生育している夏に葉を刈りとっておこなう生葉染(右写真)と、一年中藍染ができるように考案された建染(たてぞめ)の二つがあります。古くからおこなわれてきた藍染ですが、とくに江戸時代に入ってからは木綿の全国的な普及とあいまって、村々に紺屋ができ、庶民から大名まで広く愛された色となりました。
そのほか、顔料の群青や、コバルト・ブルー(酸化コバルトとアルミナからつくった顔料)、友禅染の下書きにつかわれる露草などがあります。
桐壺帝の一周忌ののち、藤壺宮は出家します。出家した人たちは鈍色をまといます。藤壺宮は「青鈍(あおにび)」、蓼藍と矢車をかけた色の衣裳を着て、光源氏の熱愛を退けるのでした。
伝統色の完璧な色標本と色名解説
「日本の色辞典」吉岡幸雄
関連リンク:
「源氏物語の色辞典」の購入はこちらでどうぞ
「日本の色辞典」吉岡幸雄 - 色名解説の決定版!
「自然の色を染める」日本の伝統色の染め方
吉岡幸雄の仕事展「千年紀記念―源氏物語の色―」