日本の伝統色 ミニ知識 「赤」

太陽によって一日が「アケル」、そのアケルという言葉が「アカ」になったといわれます。

太古、曙色に染まる空を見て、人は暗黒の夜の世界から解放されました。太陽は人々に光を与えて昼間の活動を支え、食料となる植物も育みます。夕刻、西の空に陽が傾くとき、人はその光に感謝するとともに、再び漆黒の世界に入ることに淋しさを感じたのです。そして、人間が発見した火は、危険な漆黒の世界にあって大いなる安らぎを与えたのです。

アカは人間が最初に認識をし、関心を示した色といってもいいでしょう。

赤の色名には、「茜(あかね)」「紅絹(もみ)」「蘇芳(すおう)」「支子(くちなし)」「韓紅(からくれない)」「朱華(はねず)」「赤朽葉(あかくちば)」「臙脂(えんじ)」「黄櫨染(こうろぜん)」「黄丹(おうに)」「猩々緋(しょうじょうひ)」「今様(いまよう)」などがあります。

赤系の色の染料 

代表的な染料として、紅花があります。紅花はキク科の一年草。エチオピアからエジプトあたりが原産といわれ、日本へは5世紀ころに中国から渡来しました。日本では、山形県など東北地方で栽培されています。
夏にアザミに似た黄赤の花をつけます。この花びらを乾燥させて染料とします(右中央写真)。

紅花は「寒の紅」といわれるように、冬季に染めると色が冴えるといわれます。冷たい水の中で何度も揉み洗いをして、黄色の成分を洗い流して、赤の色だけを取り出して染料とします(右下写真)。そのほか、蘇芳(インド南部やマレー半島に生育するマメ科の樹木の芯で染める)、茜(日本茜、六葉茜、印度茜などの種類がある)、槐(えんじゅ・マメ科の落葉高木)などがあります。

源氏物語の色辞典常陸宮の姫を象徴する色(「末摘花」より)

ふとしたきっかけで、光源氏の求愛を受け契る常陸宮の姫・末摘花。しかし雪の朝にはじめて姫の顔を見た源氏は、驚きのあまり声を失って しまいます。末摘花とは紅花のこと。姫はどんな容貌だったのでしょう。

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日本の伝統色 ミニ知識

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